レポート

漁業・農業の現場を見て、味わう|東洋英和女学院4年生「秋の学校」2日目レポート

2022年11月21日・22日の2日間、東京から東洋英和女学院の4年生が「秋の学校」で茨城県を訪れました。笠間市・茨城町を中心に「茨城ならでは」をたっぷり体験していただいた旅の様子を、2記事かけてレポート。

本記事では、2日目の行程を一緒に巡っていただきます。漁港に農家と、第一次産業にたっぷり触れていただきました。それでは行ってみましょう!

漁船に乗って、しじみ汁を飲んで、涸沼を体感

涸沼が見える宿「いこいの村涸沼」を8時30分に出発。早朝で少し空気が冷たかったのですが、皆さん元気。バスに乗り込んで出発です。
この日は、少人数で1つずつをしっかり体験していただくため、クラス単位で行動することに。2組さんは、先に涸沼へ行くことになりました。

まず着いたのは、広浦港。魚の種類が豊富なので、漁業がさかんな地域です。この日も、釣りをしている方がいらっしゃいました。
児童さんたちはライフジャケットを身に付け、涸沼の漁で使う道具の説明を受けます。延縄という針がたくさんついた網など、実物をみせていただきました。

シジミをとるためのカッターは柄の部分がとっても長くて、貝をすくうために水中で何度も動かすのはかなり体力が要りそうです。

説明を受けた後は、船に乗って湖へ。実際に、漁の様子を見学します。おだやかな日だったので、水上で過ごした数分間は気持ちがよい時間だったのではないでしょうか。

岸に戻ってくると、漁師さんたちがこの日とれた魚をすぐに見せてくれました。網にかかったままの魚を、積極的に触ってみるお子さんたち。中には「うろこが取れたよ」と、1枚持ち帰った子もいました。

一番人気だったのは、国語の教科書の読み物『ごんぎつね』にも登場するウナギ。ぜひ触ってみたいと、人だかりができていました。

「冷たい!」「本当にヌルヌルする」などと口にしながら触った国産ウナギの触感、記憶に残るものになったことでしょう。

名残を惜しみながらもバスに乗り込み、数分移動して直売所・あいあいへ。始めに、茨城町の観光ボランティアガイドさんから、涸沼がラムサール条約に登録されていることや、生き物が多数いることなどを教えていただきます。

地図上で東洋英和女学院のある六本木を示してくださるなど、訪れたお子さんたちに寄せた説明をしてくださるので涸沼のお話も少し身近に感じられたのではないでしょうか。

涸沼の自然や生き物について、熱心に耳を傾けて学んでいる様子でした。

お勉強をした後は、楽しみにしていたシジミ汁をいただきます。大きなお鍋でつくったお味噌汁を、シジミをたっぷり入れて配ってくださいました。実はこの日、宿の朝食でもシジミのお味噌汁をいただいたので、あまり箸が進まないのでは…という懸念もありました。が、やはり涸沼産の大きなシジミは特別です、みんなでたっぷりいただきました。

これまでいくつもの団体が訪れ、その都度シジミ汁を振る舞ってくださるひろうら田舎暮らし体験推進協議会の皆さんも「こんなにおいしいおいしいって言って食べてくれる子たちはなかなかいないわ」と嬉しそうにしていらっしゃいました。

干し芋の生産・加工・販売まで手掛ける鉾田市の産地直送農家・おみ農園で農業に触れる

涸沼を後にし、次に向かったのは鉾田市。さまざまな農作物が作られているこの地域で、この季節特にさかんに作られているのが干し芋です。

今回訪れたおみ農園さんは、サツマイモを種いもから育てて収穫。自身で加工・販売までを手掛ける6次産業化した農家さん。サツマイモづくりには土からこだわっており、加熱すると甘味が増す紅はるかを使った手作りの干し芋が人気です。

到着すると、始めに畑に案内していただきました。収穫時期を迎えた畑には、一面サツマイモが立派なツルを伸ばしています。
この日は実際に収穫の様子を見せてくださるとのこと。ツルを機械で刈り取ってしまったあとで、芋掘りも機械を使って行います。

確かにこれだけ広い畑を、すべて人の手で管理するのは大変なこと。サツマイモの栽培にも、専用の機械があるのですね。

収穫したサツマイモは、大きな専用冷蔵庫で保管。こんなにたくさんのサツマイモを見るのも初めての経験です。

熟成させたサツマイモは、蒸しあげ、皮を向き、スライスします。これらはすべて手作業で行います。大きな乾燥機もあって、こちらも使用するけれど、手間をかけて天日にあてて乾燥させるのはおみ農園さんの干し芋づくりのこだわりなのだそう。

実際に、お芋をふかしている様子や、皮をむいている様子を見せていただくと、干し芋の完成までにどれだけの人の手がかけられているのかを想像できます。
生産から加工までの流れを一通り説明いただいた後は、こちらでも児童さんたちからたくさんの質問が挙げられます。その1つ1つの答えに、小見さんのこだわりが感じられました。

見学後は鹿島灘海浜公園の芝生で昼食をとり、水戸駅へ。電車に乗って、帰路につきます。

東洋英和女学院の皆さん、2日間の「秋の学校」はいかがだったでしょうか。漁業や農業の現場に足を運び、普段の生活ではなかなかできない体験をしていただけたのではないかと思っています。茨城県の自然や食の魅力を感じられる内容になっていれば嬉しいです。

旅行1日目の様子はこちらに。まだお読みでない方は、ぜひご覧ください。

今回のご旅行をどのような想いで計画されたのか、東洋英和女学院小学部・部長の𠮷田太郎先生に想いを伺った記事も公開しています。合わせてどうぞ。

食・自然・アート…都心の学校から茨城へ教育旅行に来る魅力とは|東洋英和女学院小学部・𠮷田太郎先生インタビュー

私たち森と未来の学校は、自然と科学が隣接した茨城県を舞台に、教育旅行を企画しています。
五感を刺激する体験と、本気で向き合う大人たちの熱意が、きっと子どもたちの心を動かすはず。
対話と体験を通じて子どもたちの未来と可能性を育む旅を、私たちと一緒に創りませんか。

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