レポート

茨城・笠間で陶芸体験と地図にない湖見学を|東洋英和女学院4年生「秋の学校」1日目レポート

2022年11月21日・22日の2日間、東京から東洋英和女学院の4年生が「秋の学校」で茨城県を訪れました。笠間市・茨城町を中心に「茨城ならでは」をたっぷり体験していただいた旅の様子を、2記事かけてレポート。

本記事では、1日目の行程を一緒に巡っていただきます。それでは行ってみましょう!

陶芸の里・笠間で「笠間焼」の手ひねり体験

水戸駅についた児童さんたちがバスに乗り換え、始めに向かったのは、桧佐陶工房さん。笠間市にたくさんある笠間焼の窯元のひとつです。

茨城ロボッツのラッピングが施されたバスから降りたお子さんたちは、登り窯を見ながら、体験教室の中へ足を進めます。現在はこの登り窯には火入れを行っていないそうですが、150年の歴史があるとのこと。

お部屋に入ると、まずは昼食です。本来なら笠間芸術の森公園の広場で、外での昼食を楽しんでほしかったところですが、前日の雨のため屋内での食事となりました。

茨城・笠間の特産品「栗」を聞いて、食べて学ぶ時間も

そんなお子さんたちに、昼食時に少し時間をいただいて、おじいさまの代から笠間で栗農家を営んでいるという三村さんに、栗についてのお話をしていただきました。

栗は茨城県の特産品であり、特に生産量が多いのがこの笠間。栗の木には虫がつきやすいため、おいしい栗を収穫するためには年間を通して草刈りなどで木の周囲の環境を整えておく必要があることや、土を豊かにするために肥料には人が食べているものも使っており、ゴミのリサイクルにもつながっていることなど、栗農家さんならではのお話をいただきました。

お話のあとの質問タイムには、お子さんたちからの挙手が止まらず、時間が足りなくなってしまうほど。
「栗はイガからどうやって取り出すのですか」
「三村さんが育てている栗は何という種類ですか」
「栗を簡単にむく方法はありますか」
「栗を使ったおすすめ料理は何ですか」

などの質問がありました。笠間の栗について、たくさん知ろうとしてくださる姿が、とても嬉しかったです。関心をもって主体的に学ぶ姿に、お子さんたちの学校での様子が垣間見えた瞬間でした。

お話の最後には、栗羊羹のプレゼントが。三村さんの家で取れた栗をたっぷり使った手作りのお菓子です。皆さんお弁当の後のデザートとして、味わいながら食べている様子でした。ぜひ秋の収穫の季節には、栗拾いにいらしてくださいね。

食事を楽しんだ後は、いよいよ手ひねり体験へ。
始めに、粘土の扱い方や、具体的な作品を作る際のコツを工房の方が紹介してくださいます。実際に粘土をお皿やコップに形にしながら説明してくださるので、イメージが具体的にもてます。中には一緒に手を動かしているお子さんも。皆さんしっかりと耳を傾けながら、実際の作品作りのイメージをふくらませている様子でした。

説明が終わると、実際に粘土を手に、思い思いの作品作りが始まります。児童さんたち、想い描いている形を作り上げていくのがとても速くて驚きます。聞くと東洋英和の皆さん、学校でも陶芸を体験しているとのこと。さすが、慣れた手つきです。

最後に、完成した学級みんなの作品を1か所に集めてみると、圧巻の景色。どれも個性的な一点ものです。

このあと、工房でそれぞれが選んだ釉薬をかけて焼いた作品が、完成次第学校に届きます。陶芸は“炎の芸術”とも呼ばれ、色がどのように出るかは実際に焼いてみないと分からないとのこと。どんな風に仕上がるか、楽しみに待っていてくださいね。

日本最大の採石場「石切り山脈」で絶景&アートに触れる

バスに乗り、移動した先は日本最大の採石場・石切山脈です。
ここで採掘される「稲田石」は、茨城県内でとれる6種の御影石の一つで、白っぽくキラキラとした岩肌が特徴。非常に固く、大きな石がとれるので、建物の壁や床、彫刻、テーブル、記念碑など、様々な用途に使われています。

東洋英和女学院の児童の皆さんの目にする機会のありそうな東京都内だと、
・東京駅の丸の内駅前広場
・六本木駅の階段
などに使われていると、案内してくださった市田さんが教えてくださいました。

2か所の採石場のうち、早くから使われてきた前山採石場では123年も前の1899年から石がとられてきたとのこと。以前は小高い山だったところを、高さ80m分も掘ってきたといいます。現在では古代遺跡のような岸壁と、底の方には水がたまって湖のように見える景色が広がっていて、それを見に来る観光の方も増えているのだとか。児童の皆さんも、地図にはないまぼろしの湖の深さには驚きの声。湖面をのぞき込むなどしていました。

この辺りでは、東西約10km、南北約 5km、地下1.5kmに及ぶ岩石帯で、掘ればどこでも稲田石が出てくること。
この石の層を通ることで水が綺麗になり、田んぼやお酒に良い水が使えること。
底にたまった水は現在45mほどの深さがあるので、水を抜くなら1週間ほどかかること。
固い石を切るのには、ダイヤモンドが入っているワイヤーを使うと、糸で羊羹を切るようなイメージで石も切れること。
石を切る際に出る粉は、児童の皆さんが先に体験した陶芸用の釉薬や、絵具にも使われること。

石について、普段よく考えることは多くないからこそ、こういう場を訪れて、説明を聞きながら初めて知ることや感じることは多かったのではないでしょうか。

敷地内にはたくさんのユニークな彫刻も置かれていて、お友達同士で見て感想を言い合う姿もありました。もともとは都内に展示してあった著名な方が作ったものも多いとのこと。児童の皆さんも、実は目にしたことがあるものが含まれていたかもしれません。

2か所の見学を終えると、この日の宿「いこいの村涸沼」へ。館内で温泉や夕食、礼拝やレクリエーションをして過ごし、翌日に備えます。児童の皆さん、1日目の旅は楽しんでいただけたでしょうか。
2日目の様子は、こちらに続けます。ぜひ合わせてご覧ください!!

今回のご旅行をどのような想いで計画されたのか、東洋英和女学院小学部・部長の𠮷田太郎先生に想いを伺った記事も公開しています。

食・自然・アート…都心の学校から茨城へ教育旅行に来る魅力とは|東洋英和女学院小学部・𠮷田太郎先生インタビュー

私たち森と未来の学校は、自然と科学が隣接した茨城県を舞台に、教育旅行を企画しています。
五感を刺激する体験と、本気で向き合う大人たちの熱意が、きっと子どもたちの心を動かすはず。
対話と体験を通じて子どもたちの未来と可能性を育む旅を、私たちと一緒に創りませんか。

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